今回はシリーズ累計発行部数2500万部を超え、アニメ化や映画化もされた人気作品『トリコ』についてお話します。
これだけ人気の作品ですが、トリコは後半がつまらないという声が多くあるのです。
トリコがつまらないと言われる理由10選をまとめましたので、早速見ていきましょう。
食材が美味しそうじゃない
トリコ コミックス1巻表紙
トリコはまだ知らない未知の食材を求めて世界中を冒険する物語で、はじめは見た目も美味しそうな食材や料理ばかりでした。
しかしコミックス30巻からのグルメ界編では、絵を見ても味の想像がつかない食材が多く美味しそうに見えないのです。
たとえばフルコースの前菜とされているセンターというドロッとした液体や、肉料理とされている普通に食べても味がしないニュースなどがあります。
他にも味の想像がつかなかったり美味しくなさそうなだけでなく、少し下品な食材が増えたこともあり、面白くなくなりました。
技名がダサい
トリコ公式サイトより
トリコの技はフォーク・ナイフ・釘パンチと大きく3つあり、その3種類それぞれに複数の技があります。
その中でも特に釘パンチの技名がダサいと言われています。
釘パンチは名前の通り、釘を打つ時に1度でなく何度か打ちつける動作のように、パンチを複数回打つ技のことです。
2連釘パンチからはじまり、3連釘、5連釘と数字が大きくなるほど強くなるのですが、どんなに強くなっても技名はただ数字が大きくなるだけなのです。
そして数字は50連釘、100連釘と増えて最後には∞(無限)釘パンチとなります。
読者はこのただ単に数字を増やすだけの技名がだんだんダサく思えてしまったのです。
トリコはバトルものでもありますので、技名がダサいとどんなに強い技もすごいと思えなくなり、つまらないと感じてしまいます。
調理方法が複雑
トリコ コミックス32巻 289話より
はじめは捕らえた食材を焼いて食べるというシンプルなものや、現実世界でもあり得る調理方法でした。
しかし物語が進み食材の捕獲レベルが上がるにつれて調理方法も複雑化し、理解しにくくなってしまいました。
たとえば捕獲レベル6200のキャベツのような見た目のエアという食材は、実の中に美味しい空気が充満していますが、この空気は抜かなければいけません。
空気を抜くと言っても簡単に抜けるわけではなく、1ミリでも手元が狂えば実が破裂してしまったり、火山の噴火のような勢いで空気が抜けてしまうのです。
このようなことから熟練の調理人でも扱いがかなり難しいとされています。
またエアの同じように調理方法が複雑な食材が増えていき、物語を楽しみにくくなっているところもあります。
食材の捕獲レベルがインフレしすぎている
トリコ コミックス43巻より
トリコでは各食材に捕獲レベルという数値があり、捕獲が難しくなるほど高い数値がつけられています。
物語でトリコたちの最初の目的となった食材は、捕獲レベル8のガララワニでした。
しかしレベル8でワニといいながらも、すでに恐竜のような生き物なのです。
はじめはレベル1桁の食材が登場しており、レベル98のシャボンフルーツというものが人間界では最高レベルでした。
他作品でもレベル100まではよく見かけるため読者も受け入れやすいのですが、グルメ界以降のレベルがインフレしすぎてついていけない人もいるようです。
グルメ界以降はレベル1000を超え、あっという間に5000、10000、そして最終的にはレベル530000のスペースタイタイパンが現れました。
数字が大きすぎて白けてしまい読むのをやめたという声も聞きます。
トリコの世界での食材は捕獲レベルが1桁でもプロのハンター10人がかりでやっと仕留められるようなものや、戦車が必要だったりするかなりの強敵です。
そのため数字が大きくなるにつれて食材の強さがよく分からなくなってしまい、物語がつまらなくなってしまったのだと思われます。
女性キャラクターがかわいくない
トリコ公式Twitterより
少年漫画において女性キャラクターやヒロインの存在は重要な要素となっており、各作品で魅力的な女性キャラクターが複数人登場します。
しかしトリコでは女性キャラクターがかわいくないと不評なのです。
またトリコには明確なヒロインがいないことも不評である理由の1つです。
トリコの結婚相手としてリンという女性キャラクターはいるのですが、ヒロインという立場には見えません。
読者の中では、男性ですがもはや小松がヒロイン的存在だともよく言われています。
島袋先生は女性キャラクターを描くのが苦手という話もありますので、ヒロインを明確に設定しなかったり、女性キャラクターの登場が少ないのはあえてではないかと考えられます。
ケガや負傷がすぐに治ってしまう
トリコ 240話より
トリコは料理だけでなくバトルものでもありますので、戦いにおいてケガや時には致命傷を負うこともあります。
ですがどんなに大ケガをしてもすぐに治ってしまうので、現実味が薄くあまり共感できないのです。
たとえばトリコはスタージュンとの戦いで片足を吹き飛ばされてしまいました。
しかし次に再登場した時には綺麗に脚が元に戻っており、立つことも歩くことも普通にできているのです。
トリコではそういったことが多く、またすぐに復活するだろうと読者が慣れて気持ちが覚めてしまうこともあります。
三虎の過去編がおもしろくなかった
トリコ コミックス20巻表紙
三虎はトリコに登場するキャラクターの中でも、トップレベルで強いとされています。
そんな三虎の過去編がコミックス28巻 250話『底知れぬ空腹!!』から描かれています。
トリコと渡り合うほどの強さを持つ三虎ですので、過去にどんな特訓や経験をしてこんなにも強くなったのか読者は気になっていました。
しかしその内容は読者が期待するものでなく、つまらないという人がいるのです。
また過去編を描いたことで三虎はマザコン呼ばわれしています。
三虎はグルメ戦争真っ只中に生まれ、空腹で倒れたところをフローゼに助けられました。
三虎はこれまで殺意以外の感情を向けられたことがなかったのですが、はじめてフローゼから施しを受けたのです。
それがきっかけで獣のようだった三虎は人間になっていき、フローゼやアカシアたちと家族のように暮らしていました。
過去編では修行のシーンも描かれていますが場面は少なく、三虎のフローゼへの愛のようなものが中心となっているためその結果マザコンと呼ばれてしまいました。
読者の多くが少年なので、過去の壮絶でかっこいい修行を期待していたため三虎の過去編がおもしろくないと感じたのでしょう。
読者がおいてけぼりになってしまった
トリコ公式サイトより
食林寺あたりまでの内容はハチャメチャでも漫画だからと割り切れたり、納得できる内容や設定が多くありました。
しかしクッキングフェスティバル以降は読者がおいてけぼりになっているという声が多く見られます。
クッキングフェスティバルとは、世界料理人ランキング100人を集めて4年に1度行なわれる料理の祭典のことです。
この祭典自体は料理漫画のトリコらしくおもしろいイベントですが、その内容が読者の想像の上を行き過ぎているのです。
たとえばトライアスロンをしながら食材や調理器具の調達をしたり、巨大な天秤の上で料理をするなど料理と関係ない要素が色濃く読者も意味が分からなくなるのです。
またクッキングフェスティバルでは3回の過酷な予選を勝ち抜いた32名が決勝トーナメントに挑みます。
しかし決勝1回戦に美食會が攻め込んできたため、クッキングフェスティバル自体が中止になってしまったのです。
おいてけぼりになりながらも、ここまで読み進めた読者からすると物語の中でも長編だったクッキングフェスティバルの決勝がこれでは寂しいと感じてしまいます。
戦いの相手が食材から人になってしまった
トリコ公式サイトより
トリコははじめ未知なる食材を手に入れるために、いわゆる昔に行なっていた狩猟のように食材となる動物と戦っていました。
しかしそれがいつの間にか、人と戦うことがメインになってしまったのです。
その結果、他のバトル漫画とせっかく差別化できていたトリコならではの戦いや面白みがなくなってしまいました。
人と戦うのであれば他の漫画でも楽しめるため、結局他と同じに見えてつまらないと感じてしまう人が増えてしまったのです。
裏の世界(うらのチャンネル)が複雑
トリコ コミックス39巻 350話より
トリコでは裏の世界という設定があり、これが複雑でつまらないという声もあります。
裏の世界とは、この世の食材に未練を残して死んでしまった人の魂である食霊が漂う世界のことです。
この裏の世界は5つも種類があり、それぞれ定義が違うため読者が混乱してしまっているのです。
また調理でも裏の世界を使うことがあるので、余計に複雑に感じ読み進めにくくなっています。
たとえばアカシアのフルコースの1つであるアナザの調理で使われるのですが、アナザを普通に調理するには60万年もかかります。
これを小松は裏の世界の1つである魂の世界で調理することで体感65年で終えることができました。
とは言え体感であっても調理に65年はかかりすぎですし、どんなにすごい食材でもすんなり調理できないところが複雑で何をしていたのか分からなくなる時もあるのです。
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